Phil meets Michel(兄弟対談)

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モデルエージェンシー「BARK IN STYLe」所属のPhil(フィル)が“いま気になるコト、モノ、ヒト”にフォーカスする連載企画に、実弟であるMichel(ミッシェル)が登場。モデル黄金期と呼ばれる2000年前半に日の目を浴び、それから裏方へと回った彼がいまの仕事や将来的なビジョンを兄弟対談という形で語り合ってもらった。

3月中旬、筆者は急遽、自由が丘のオシャレなイタリアンレストランへと呼び出された。そこにはPhilに加えて初対面となるMichelの姿があった。前菜盛りからパスタ、ピザ、デザートとイタリアンのコース料理が次々とテーブルを埋めるなか、フランクな感じに取材がスタートした。

「自然体こそが俺の生き方だし、趣味を仕事にするのが目標だった ーーー Michel」

Phil(以下、P):俺がMichelの説明するのもアレだから自分で説明してよ(笑)。
Michel(以下、M):なんだろ、そう言われると難しいな……。まあ今年の2月までHARE(ハレ)というブランドのディレクターをやっていて、今はインフルエンサーブランド、イベントプロデュース、アパレルの生産とかを生業にした自分の会社もやってる。
P:どうせなら、モデル時代から説明してよ。
M:そうだね。18か19歳ぐらいにPhilの昔の事務所経由で誘ってもらって、モデル活動を始めたんだよ。当時は坊主でこの体型だからコアな企画に呼んでもらうことが多くて、それこそ『Mens non-no(メンズノンノ)』『Boon(ブーン)』『Smart(スマート)』『Rude(ルード)』とかのタイアップ企画には多く呼んでもらったかな。
P:今回、久しぶりに兄弟揃って撮影したけど、かれこれ10年振りくらいだよね?
M:そんなになるんか。確かに『Cool Trans(クールトランス)』の撮影が最後だったかも。
P:昔を思い出したよ、やっぱり兄弟で撮影するのはいいね。俺らがモデルをやってたときは黄金世代って言われてたし、ストリート誌全盛期だった。
M:ほんとスタイリストに恵まれてた。184cmぐらいの坊主って異色だったし、そこが逆に大御所スタイリストの人たちにハマったのかなって。好いてもらって嬉しかったし、今もなお関係性が築けてるからモデルをやっててよかったな、とは思う。

「Michelは俺にないビジネス脳を持ってる ーーー Phil」

P:そのあと、どういう経緯で裏方になったんだっけ?
M:単にモノづくりをしたかったんだよね。ふとスニーカー作ろうと思って、シューズブランドのMARQUI(マルキ)を立ち上げて、売り先もないまま500足作って、よくわからないけど売れちゃって(笑)。今思っても500足って売りづらいし、よく売れたなって自分でも思うよ。

P:いつも思うけど、Michelは仕事を趣味(遊び)みたいにこなすし、皆が理想とする仕事のやり方をしているよね?
M:自分が楽しいことしてたいじゃん。仕事は基本的に”楽しいか”、”楽しくないか”で判断してる。ある程度はトライするようにしてるし、Philとは5歳も差があるけど、相談することも多いよね。
P:Michelが30、俺が30後半になってから昔よりも話すことは多くなった。一緒に住んでいた頃よりもお互いのことが気になるようになったし、歩んできた道が途中まで一緒だから共感するポイントもリンクしてるんだと思うよ。別々の道を歩んでたら疎遠になってたかもね。
P:趣味、境遇が似てるし、家族みんな仲良いもんね。他の家族は年に1回も会わないとか聞くけど、家もみんな近いし月1では会ってるし、会えない時はこまめに連絡取ってる。コロナ禍の時も「カフェ一緒にやらない?」って誘ったしね。
M:あったね、その話。面白いことがあったら2人でやってみたいし、信頼し合ってるから、いずれ何らかの形で一緒にやることはあるだろうね。
P:Michelは経営能力が高い、俺はお金周りとかネットワークもあるし、2人でやれることは多いんだと思う。いい関係性だよ。
M:(Philは)近年面白い動きをしてる。ラジオやったり、(WhoIsで)連載やったり。兄弟だからこそトライアンドエラーで済むし、だから今回の撮影も単純に兄弟だからって訳じゃなくて、スイングがめちゃくちゃ綺麗だからモデルとしてアサインしたんだよね。
P:そうなん? それにしては俺の登場シーン少なくない(笑)?
M:まあまあ、でも映像かっこよかったでしょ?
P:確かに、これはみんなに観てもらいたいね。

P:俺も(ゴルフは)好きだけど、早起きとか苦手だしそこまで。でもMichelは有名スタイリストとか、同世代のモデルとかと、よくラウンド回ったりしてるもんね。
M:そうそう。モデル時代にお世話になってた方々と一緒に回るのは懐かしさもあるし、歳とってもこうやって関係を繋いでくれるのはゴルフのおかげでもあるよね。俺のなかでゴルフとしゃぶしゃぶ、サウナはスケジュールを変更してでも行きたいんだよね(笑)。それくらいハマってる。

「ゴルフは新しい文化になり得るし、コミュニティ形成に役立つ ーーー Michel」

P:ゴルフを仕事にって思ったのはいつからなの?
M:いつなんだろ。俺はもともと飽き性だから趣味も長続きしないんだよね。それこそモデルも最初は趣味の一環だったし。いま思い返すと、モデル業も楽しかったけど減量とかも自分のスタイルには合ってなかった。たぶん5年くらい前、ふと「俺の趣味はなんなんだろ?」って考えた時に、おっさんになってもやってるだろうなって思ったのが、”ゴルフ”だっただけ。それくらいから真剣にラウンドにも行くようになって、ここ2年くらいはがっつり。徐々に”早い段階でゴルフだけしてて大丈夫な生活をしたい”って思うようになって、自然にゴルフを仕事の軸としていこうって決めた感じ。

M:日本だとゴルフ=大人の接待ってイメージあるけど、蓋を開けてみると実は若年化が進んでて、去年のアマチュアのゴルフ人口も170%増だったみたいよ。ゴルフはスコアがあるから自分自身との戦いなんだよ。スポーツっていう枠で見ても最も極められない競技だと思うし、コンディションや場所、クラブとかあらゆる状況を見極めてやるスポーツだから俺からすると興味をそそられるんだよね。チームじゃなくて個の戦いだから。
P:人生と似てる。
M:そうそう、歳を重ねるにつれて凝った作業が好きになってきた。天候、地形、飛距離とかひとりで試行錯誤しながら戦略を立てて挑む、これがゴルフの魅力。
P:プロでさえ、本場・イギリスに行ってあり得ないスコアを叩くプレイヤーもいるもんね。
M:まず風も違うし、芝も違う。練習する日があっても対応しきれない時もあるし、すんなり対応できちゃう時もある。この読めない感じがいいんだよ。
P:そうだね。コロナ禍でも規則正しく、新鮮な空気を吸えて、密にならずにやれる競技だし、今後もっと注目を浴びるスポーツになるかもね。

ウォータープルーフ P/O ジャケット CHG21-SS-J01(ブラック、オリーブ)各16,000円、CHG21-SS-J01S(ネイビー ※Safari別注)16,000円(すべて税抜)

「もっとゴルフを身近に感じて欲しい ーーー Michel」

「ゴルフを始める理由はそれぞれ、でも今の緊迫した社会に必要な“息抜き”だと思う ーーー Phil」

P:Captains Helm(キャプテンズヘルム)からこの話がきたのはいつ頃くらい?
M:去年末ぐらいかな? 昔から仲が良かったCaptains Helmから「ゴルフラインを立ち上げたいんだよね」ってお話をもらって、気付いたらCPHG(キャプテンズヘルムゴルフ)のプロジェクトリーダー兼ディレクターになってたんだよね。Captains Helmにはサーフィン、キャンプ、フィッシングもあるからこのレーベル(CPHG)は自然な流れだし、トレンドに敏感だからこその新たな挑戦だよね。

M:あとは去年から計画してたんだけど、今年10月に渋谷・桜丘に区内最大級のゴルフジムをオープンさせるんだよね。まあこのプロジェクトは自分だけがオーナーじゃなくて、共同出資なんだけど。
P:すごいタイミングでゴルフが仕事に繋がってるよね?
M:それは自分でも思うよ。実際、都内でゴルフをやるってなかなか難しいじゃん。でもこの施設にはシミレーションがあって、ゴルフクラブのフィッティング、ヘッドスピードの計測とか。あとは打ちっ放し場と似てるかな。
P:でも、通常は郊外の打ちっ放し場に車でクラブ一式を持って行くけど、このお店の強みは「手ぶらで気軽に本格的なゴルフを体験できる」ってとこでしょ?
M:もちろんクラブの貸し出しするしね。サブスク的な感じで。

P:昔は”ポロシャツに3タックのスラックス”みたいな、イケてるファッションではなかったけど、最近は結構変わってきたよね?
M:そうだね。ゴルフが若年化しているのにも限らず、なかなかオシャレなウェアがない。これは1番の落ち度だし、改善の余地があるなって思ってCPHGを引き受けた。
P:CPHGでこだわったポイントってどんなとこなの?
M:今は派手なゴルフウェアが市場に多く出回ってるけど、ファッションとしては見れないよね。だから若者はちょっとゴルフに対して抵抗もあるんだと思う。そこをフラットにするために、CPHGではストリートファッション要素も少し入れて、カジュアルかつスポーティなデザインに仕上げてる。でも、ただ単にデザインがイケてるって訳じゃなくて生地やパターンは高機能素材だったり、肩の可動域を考慮した動きやすいシルエットにしてる。玄人からも良いって言ってもらえるアパレルになってるよ。

左上/右下 ジェントルマンTシャツ CHG21-SS-T02(ブラック、ホワイト)、左下/右上 バンカーTシャツ CHG21-SS-T03(ブラック、ホワイト)、真ん中 Cph/Golf TM Tシャツ CHG21-SS-T01(ブラック、ホワイト)各8,000円(すべて税抜)

M:”サーフ&ターフ”って言葉があるけど、サーフィンを趣味にしてる人はゴルフも多いよね?
P:そうだね。大学時代をハワイで過ごしてたんだけど、波が悪い時は基本的にゴルフをやるんだよね。だからサーフィン上手いやつはゴルフも上手いんだよ。僕らの親の時代の人たちは、サーフィンとゴルフを趣味にしてる人が多いよね。
M:そもそもサーフィン人口が多いところって、ゴルフの設備が整ってる。リゾート地とかね。日本で言うと千葉とかも。
P:(ハワイの人たちは)サンダルでやっても上手い(笑)。
M:そういうのもあって俺の人生設計のなかにゴルフが入ってきた感じかな。CPHGも『Safari(サファリ)』が気になってくれて、ECサイトでも別注アイテムを取り扱うことになったし。

P:あと日本は上下関係を気にする文化があるから、ゴルフきっかけでコミュニケーションを取るよね。総理大臣が米大統領を接待したりさ。仮に(元ZOZO社長の)前澤さんと会食があるって言ってもフラットに話せないじゃん? だけどゴルフであればフランクに話すきっかけができるよね。
M:本当そう。名前は出さないけど30歳すぎて社長や目上の人と話したり、交流するきっかけ欲しさにゴルフを始める人もいる。ゴルフはお金がかかる遊びだったけど、今は中古クラブやラウンド回る料金も安くなってるから昔に比べて敷居は下がってきた。
P:今クラブ一式を買うってなったらどれくらいかかるんだっけ?
M:ピンキリだけど、ちゃんとやるのであれば30、40万くらいになるかな。
P:自分に合ったものを揃えるってなったらもっとでしょ?
M:そうだね。フィッティングしたらもっとかな。でも安いやつを買うのは勧めないね。新しいもの=性能はアップデートされているから、古いものを使ってより良いスコアは出せないよね。もちろん向き不向きはあるけど、どうせなら新しいものを買って、その特性を見極めていく方が手っ取り早いよ。

Michel
2004年からモデルとして活躍したのち、2011年に自身のシューズブランド MARQUI(マルキ)を始動。翌年に株式会社MARQUIを設立し、大手とのコラボ企画で更に加速、その他アパレル全般の企画や生産まで事業を拡大。2017年から20年までメンズファッションブランド HARE(ハレ)のディレクターを兼任し、現在はブランドプロデュース、ディレクション、飲食事業など様々な事業に携わる。2021年3月からローンチとなるCPHG(キャプテンズヘルムゴルフ)のディレクターに就任し、今後はゴルフウェアのみならずゴルフジムやゴルフ場のプロデュースに携わっていく。

HP: http://www.captainshelm.jp/

Photo: Ayase